群馬県病院協会

一般社団法人群馬県病院協会 会長挨拶

  一般社団法人群馬県病院協会
会長 西松 輝高

 群馬県病院協会のホームページにお越しいただきありがとうございます。

 上毛三山などの名峰に囲まれた本県は、都心から概ね1時間というアクセス圏内にありながら面積の約3分の2は森林に覆われ、人口のおよそ7割が県南東部に集中するものの大きな人口集積地が存在しないという特性があります。一方で人口10万人に対する医師偏在指標は全国34位(令和2年2月、厚生労働省)で、いわゆる「医師少数県」に分類されるとともに医学部は唯一群馬大学が設置するのみであり、診療科の偏りと医師の偏在も顕著となっています。

 従前よりこうした環境下にあって、およそ25年前の平成10年7月、より良い医療環境を県民の皆様に提供するという理念を掲げ、当時県内のほぼすべての病院の賛同を得て、本会は発足いたしました。

 本会の定款では、その目的を「県民の保健・医療・福祉に寄与すること」と定め、その達成に向け「県内に存在する全ての病院等が高い倫理観のもとに一致協力」し、「病院等の組織・医療の充実及び発展を図り経営の安定化に資する」と謳っています。

 本会のような職能団体は中世ヨーロッパの”ギルド”の流れをくみ、専門職従事者の交流等を通じて自らの利益などの維持を目的に結成される組織ですが、医療関係職種の団体ではその活動が公衆衛生及び公共の福祉に寄与する組織でなければ、その存在意義が問われることになります。

 本会では、現会長の私が群馬県医師会の副会長を兼務することもありますが、他の医療関係団体との連携や交流が活発であるほか、県の各審議会・協議会等に委員を連ねて議論に参画するなど、行政および他の団体との連携も緊密に保たれています。

 すでに3年あまり経過した新型コロナウイルスの感染拡大は、我が国の社会経済に深刻な打撃を与えたばかりか日本の公衆衛生政策の弱点を暴き出したことで、多くの救われるべき命が失われるという悲劇が起こりました。本会には会員の設立母体は問わないとする特異性がありますが、それが平時の会務運営においてはわずかながら融通性に後れを取ることがあっても、今回のような前例を見ないほどの有事に対処する場合には、公民の区別なく正に「県内の全ての病院等が一致協力する」体制で臨むことを可能とします。

 新型コロナの感染拡大は第8波の到来に至りましたが、会員同士の密接な連携と情報の交換、また医師会や行政との協調によって感染者や死者を最小限に抑えるべく、115会員病院(県内127病院の90.6%、令和4年10月時点)の英知と力を結集していく所存です。

 今後も県民の皆様の健康増進と、会員病院の一層の発展を期した会務運営、またポストコロナにおいて、患者さんが安全・安心に受診できる医療環境の構築に向け、不断の努力を続けてまいりますので皆様のご理解とご協力をたまわりますようお願い申し上げます。